黒部五郎岳 @ 2015.9.29

(黒部五郎岳カールコース) くろべごろうだけ・2926m(富山県富山市・岐阜県飛騨市/ 高山市))



黒部五郎岳(くろべごろうだけ)は、富山県富山市、岐阜県飛騨市及び高山市にまたがる飛騨山脈の標高2,840mの山である。別名、中ノ俣岳(なかのまただけ)、鍋岳。黒部五郎岳は富山県側、中ノ俣岳は岐阜県側の古来からの名称。日本百名山及び花の百名山に選定されている。山域は中部山岳国立公園に指定されている。

「五郎」は、山の用語であるゴーロ、大きな岩がゴロゴロした場所が山名の語源である。巨大な圏谷を抱く特異な山容を見せる。花崗閃緑岩で構成され、山頂付近は岩が積み重なった砂礫地である。 圏谷が、その山体に対して余りに巨大なため、巨大なスコップでえぐられたようにも見える。 (Wikipediaより)

丹沢山
薬師平から見る黒部五郎岳


北アルプスの山に登る。山登りを始めて10数年になるだろうか。奥多摩、丹沢の山から始まり、山口県の山々、九州・四国の山々を登ってきたが、ついに念願であった憧れの地を踏む。以前、NHK-BS放送で内田アナウンサーと著名な女性登山家である田部井淳子さんが立山から雲ノ平を経て、槍ヶ岳、奥穂高岳からジャンダルムまで何日もかけて縦走をするという番組を見たことがある。その中で、「日本最後の秘境」と称される広大な雲ノ平から見る周囲の景色は素晴らしく、ニ人の感動した様子が描かれていた。その場面と「日本最後の秘境」という印象的な言葉が頭の中に残り、いつか雲ノ平に行ってみようと憧れを抱くようになった。

直前の乗船期間中に北アルプス行のコースをいろいろ計画していた。ついに1ヶ月とはいえ休暇期間が初秋の時期に重なることになり、北アルプス行を決行することにした。休みの期間が短いので日程は移動日を含め、1週間程度の期間でなければならない。いままで山行の経験を計画に生かさなければ・・・。マイカーで行くか、それとも鉄道とバスを利用することにするか・・・。いろんな計画が頭を駆け巡る。結局マイカーで中国自動車道、名神高速道、北陸自動車道を走り、富山県の折立から登ることにする。太郎平に至り、雲ノ平を回るコースは、少なくとも3泊4日かかり難度もかなり高かそうなので、今回はまずは入門コースとして黒部五郎岳に登り、その後薬師岳に、更に移動して日帰りで立山と、3つの日本百名山の登頂を目指すことにする。北アルプスデビュー、少し欲張りすぎだろうか。期待と少々の不安が頭の中を交差する。



歩行距離 12.0km
所要時間 7時間40分
累積標高差 (+) 911m  (-) 894m
コース 太郎平小屋 06:45 → 太郎山06:55 → 北ノ俣岳08:40 →赤木山09:25
  → 中俣乗越 → 黒部五郎岳12:15 → 黒部五郎小屋14:25





初めての北アルプスの旅 - 3日目(9/29) 太郎平小屋 〜 北ノ俣岳 〜 黒部五郎岳 〜 黒部五郎小屋

山行初日は、太郎平小屋に泊まり、翌朝04:30起床する。相部屋だった二人のうちの冒険家風の登山者は、早立ちで04:00頃部屋を出て行った。薬師岳から立山に抜けるという。06:00もう一人の千葉の中高年男性と朝食を共にする。昨晩は夕食後、軽自動車と山の旅について沢山の話で盛り上がり、一人旅の寂しさがまぎれた。自分とその中高年登山者の今日の目的地は、同じ黒部五郎岳であるが、その人は往復10時間かかるという行程を1日で歩き、夕方太郎平小屋に戻るという。小さいサブのザックに弁当と、ペットボトル2本を入れ先に出発する。「お気をつけて・・・」お互いの山登り安全を祈る。

自分も少し遅れて06:45太郎平小屋を出発する。外は既に空が白み、空気はひんやりして心地よい。小屋の南側に太郎山の上まで延びる木道を歩いて行くと、直ぐに薬師沢と黒部五郎岳の分岐がある。薬師沢方向に進めば雲ノ平に行ける。標識に従い右の黒部五郎岳のほうに進む。振り返ると広大な太郎平の中央に建つ太郎平小屋と、その背後には朝日に輝く大きな薬師岳の山塊が見える。とても美しい。最初のピークを登り、少し右にそれ太郎山山頂(2372.9m)に行く。山頂から有峰湖とその先の山々に浮かぶ雲海を見る。再び広い草原の木道を歩く。周辺には地塘が見られる。夏に来れば沢山の高山植物を見ることができることだろう・・・。丸い起伏のある草原が終わると岩がゴロゴロした登りになる。周囲には部分的に針葉樹林がある。やがてハイマツ帯になる。ピークを登りきると前方に目指す黒部五郎岳とその間の長大な稜線が見えてくる。何と素晴らしい景色だ!!登山道の両側に、沢山の綿毛になったチングルマが風に揺れている。稜線の左手には、どっしりとした雲ノ平とその周辺には数々の日本百名山が見える。今、自分が北アルプスの懐に入り込んでいることを実感する。いつも山の雑誌でしか見たことのない有名な山々を今実際に自分が目にしている。並み居る有名スターでも見ているような感覚だ。稜線の道の起伏は少なく木道と岩の道を交互に歩く。

08:40北ノ俣岳山頂(2661m)に達する。平らな広い稜線を行く。右手には笠ヶ岳、乗鞍岳、御嶽山が連なって見え、更にそのずっと右に白山が見える。日本百名山のオンパレードだ。09:25なだらかな赤木岳の巻道を通過、沢山の岩が折り重なった道を岩伝いに歩く。ハイマツの道を下ると岩の上に寝そべって休んでいる若い外国人のカップルを追い越す。終始前方に見える黒部五郎岳が徐々に近づいている。高度にまだ体が順応していないか、けっこうきつい。最後の小ピークを乗り越え、ジグザグのガレ場の急登に取りつく。何度も何度も休みながらゆっくり登って行く。100Lもありそうなザックを背負った二組の外国人カップルが追い越していく。振り向けば歩いてきた北ノ俣岳の稜線が見える。やっとの思いで黒部五郎岳の肩に達する。左手には槍ヶ岳と穂高連峰のギザギザの厳しそうな稜線が見える。断崖の先を覗けば山肌が大きく抉られた黒部カールが見える。すごい迫力だ!!カールの森の向こうには目指す黒部五郎小屋が見える。

最後のガレ場の急登を登り切り、12:15黒部五郎岳山頂(2890m)に到着する。山頂からは360度の展望が広がる。北アルプス中央部付近の山々の位置関係がよくわかる。山頂には他に5名ほどの登山者がいるだろうか。地図によれば、山頂から黒部五郎小屋に行くコースにはカールコースと稜線コースがある。どちらのコースも険しそうで、緊張する。どちらにしようか迷う。その時カールコースのジグザグの道を下る登山者の姿を見る。あそこなら自分にも下ることが出来そうだ。再び分岐点である黒部五郎の肩まで下り、少し行くとカールに下る道を見つける。ジグザグのガレた急坂を慎重に下る。右手に荒々しい岩肌の黒部五郎岳と険しそうな稜線を見る。広大なカールには巨岩がゴロゴロ転がっており山の名前の由来となっている。カールの下まで下ると道はなだらかになり、巨岩の合間を縫って沢が流れる草原を歩く。大きく抉られた山肌は、剥き出しの岩が覆いかぶさってきそうな迫力だ。途中、今朝すれ違った若い外国人カップルが枯れ木でコーヒーを沸かしている。追い抜いたり追い抜かれたりだ。歩き難い岩場を過ぎ、樹林帯を抜け14:25黒部五郎小屋に到着する。

受付すませ早速ビールを買おうとしたがすでに売り切れていた。一番の楽しみなのに残念・・・。小屋は 明日で今季の営業を終了するという。幸運だった。宿泊費を抑えるため、夕食は持ってきたアルファー米にし、明日のために弁当を注文する。割り当てられた10畳ほどの大部屋の端から2番目のスペースにザックを置く。早速小屋の前のベンチに座り持ってきた残りの焼酎を飲みながら周りの山深い景色を見る。キャンプ指定地の向こうには、笠ヶ岳の稜線がよく見える。自炊スペースでカレーピラフに生卵かけ食べる。おかずはサンマの缶詰だ。少し物足りなさが残る。夕食時の食堂は、沢山の中高年で賑やかだ。 部屋に戻り明日の計画を練る。再び黒部五郎岳に登り太郎平小屋まで戻る計画だ。今日下ったカールコースをとるか、未知の稜線コースにするか迷うところだ・・・。隣りの名古屋から来たベテランの中高年と話をする。双六岳の方から来て、明日黒部五郎岳に登るという。21:00少しねっとりとした毛布に包まり眠りに就く。月の光が窓にこぼれる。外の気温は低そうだ。


丹沢山
出発前に太郎平小屋の前で記念撮影する。
丹沢山
06:45太郎平小屋を出発する。
丹沢山
・・・
丹沢山
薬師沢への分岐を右に進む。
丹沢山
木道の上を歩く。
丹沢山
太郎山の山頂(2373m)に立ち寄る。
丹沢山
太郎平小屋を振り返る。

丹沢山
木道周辺には地塘が点在する。

丹沢山
歩いてきた太郎兵衛平を振り返る。
丹沢山
前方に目指す黒部五郎岳を見る。
丹沢山
ハイマツの中の道を行く。
丹沢山
草原の道を行く。
丹沢山
チングルマの綿毛
丹沢山
・・・
丹沢山
北ノ俣岳
丹沢山
北ノ俣岳山頂(2662m)に到着する。
丹沢山
北ノ俣岳山頂
丹沢山
北ノ俣岳山頂
丹沢山
広い登山道を歩く。前方には御嶽山と乗鞍岳が見える。

丹沢山
右手の雲海の先には白山が見える。
丹沢山
赤木岳付近の岩場を通過する。
丹沢山
赤木岳を通過する。
丹沢山
・・・
丹沢山
赤木岳付近の岩場から黒部五郎岳に向かう稜線を見る。

丹沢山
左手に雄大な雲ノ平と水晶岳、鷲羽岳の稜線を見る。
丹沢山憧れの雲ノ平 丹沢山
黒部五郎岳の急登を登る。
丹沢山
薬師岳を見る。

丹沢山
黒部五郎岳の上りから中ノ俣岳を見る。
丹沢山
黒部五郎岳の肩に達する。
丹沢山
重いザックを背負って登る登山者。
丹沢山
黒部五郎岳山頂に到着する。
丹沢山
黒部五郎岳山頂に立つ。
丹沢山
黒部五郎岳山頂
丹沢山
黒部五郎岳山頂から槍ヶ岳を見る。
丹沢山
黒部五郎岳山頂から黒部五郎カールを見る。
丹沢山
黒部五郎岳山頂から笠ヶ岳(右)と折戸岳(左)を見る。
丹沢山
黒部五郎岳山頂から鷲羽岳(右)とワリモ岳(左)を見る。
丹沢山
黒部五郎岳の肩方向に下る。
丹沢山
慎重に黒部五郎カールに下る。右手に黒部五郎岳を見る。
丹沢山
黒部五郎岳の肩を見る。
丹沢山
黒部五郎岳の稜線を見る。
丹沢山
沢山の巨岩が転がる。
丹沢山
ゴロゴロ岩を下る。
丹沢山
丹沢山
黒部五郎カールから黒部五郎岳山頂を見る。
丹沢山
黒部五郎小屋を目指す。
丹沢山
紅葉の樹林帯に入る。
丹沢山
・・・
丹沢山
広大な黒部五郎カールを振り返る。
丹沢山
キャンプ場の向こうに笠ヶ岳を見る。
丹沢山
薬師岳を見る。
丹沢山
チングルマ
丹沢山
14:25黒部五郎小屋に到着する。



■ HOMEへ戻る

総合登山記録  山口県の山  中国百名山 九州百名山  四国百名山  日本百名山   関東の山 南アルプス 屋久島縦走    
航海記録  旅の記録  海の風景・ギャラリー  沖縄  山で見た花


Copyright(c)2014 軽きゃんぱー里山放浪記. all right reserved.